

女性には思春期、性成熟期(妊娠・出産)、更年期、老年期というライフステージごとに女性ホルモン(エストロゲン※1)のレベルの大きな変化があります。女性ホルモンは、女性の健康と生活の質に大きな影響を与えるため、ライフステージに応じた対策を講じることが大切です。各ステージの特徴と対策をご紹介します。
※1エストロゲンとは?:
女性ホルモンの一つで、主として卵巣から分泌されます。排卵や月経に関連するとともに、子宮、乳房の発育を促し、女性らしい体型を作ることにも関係します。生殖器以外にも骨・血管・筋肉・脳など全身の臓器に影響を及ぼし、代謝系(糖・脂質)にも作用する大切なホルモンです。
思春期(8〜18才ごろ)
特徴
初経後に急激にエストロゲンレベルが高まり、月経周期が安定しなかったり、月経痛、ニキビ、イライラなどが生じるなど身体的、精神的に不安定な状態になったりします。
対策
栄養バランスの良い食事を心がけ、適度な運動をすることで、健康な成長をサポートします。
性成熟期(10代後半〜40代前半)

特徴
エストロゲンレベルが最も安定し、妊娠・出産に適した時期ですが、一方で、子宮内膜症、子宮筋腫など女性特有の病気が起こりやすい年代になってきます。
対策
ストレス管理と十分な睡眠が大切です。また、定期的な婦人科検診を受けることで健康を維持しましょう。

更年期(45才〜55才ごろ)
特徴
エストロゲンレベルは急激に低下します。エストロゲンのレベルが低い状態が続くと、骨粗しょう症や動脈硬化に関連した病気が増えてきます。ホットフラッシュや不眠、イライラなどの更年期症状が現れることがあります。
対策
ホルモン補充療法やサプリメントの活用、適度な運動と健康的な食事が症状の緩和に役立ちます。また、医師と相談して最適なケアを受けることが大切です。
老年期(60才以降)

特徴
閉経後、エストロゲンの分泌はほぼ停止します。このため、骨密度の低下や心血管疾患のリスクが高まることがあります。
対策
カルシウムやビタミンDの摂取を増やし、骨を強化するための運動を取り入れましょう。また、定期的な健康チェックを受けることも重要です。
このように女性の心身は、女性ホルモンによって一生、影響を受けてきます。健康的な生活習慣を維持し、自分の体の変化に敏感になりましょう。